目次
主な跛行のタイプと有効なアプローチ
①疼痛性跛行(痛みが原因)
アプローチ:
・炎症コントロール(アイシング、圧迫、安静の調整)
・荷重の調整(杖・装具の使用)
・痛みを避けた関節可動域運動
・狙い:痛みの軽減 → 正常な荷重パターンの回復
恥ずかしい話、僕はたびたび疼痛性破行を作ってしまう。痛みの感じ方は人それぞれ 患者に寄り添ってリハビリを進めないといけない 通常歩行の獲得が遅れてその分機能回復が遷延するパターンにハマってしまいがちです
②筋力低下性跛行(例:トレンデレンブルグ跛行)
アプローチ:
・中殿筋・殿筋群の筋力強化 ・CKC(閉鎖運動連鎖)での安定性トレーニング
・歩行練習での代償抑制
・狙い:支持期の骨盤安定化
これは療法士がよく分析してすぐに取り掛かる課題ですね。
③可動域制限性跛行(例:股関節・足関節の制限)
アプローチ:
・関節モビライゼーション ・ストレッチ(関節包・筋膜)
・歩行中に代償を減らす装具・靴の工夫
ご存知の通り、可動域が正常範囲なければ通常歩行は難しいです
④神経性跛行(例:鶏歩、痙性歩行など)
アプローチ:
・神経筋再教育(歩行リハビリ、FESなど)
・ストレッチ・抑制(痙縮対策)
・装具(AFOなど)による補助
・狙い:安全な歩行パターンの再学習
僕は最近運動器疾患しか見ていないので神経性が生じるとしたらヘルニアや狭窄症あるいは末梢神経の圧迫 特に受傷及び術後の腫脹によって神経性の筋力低下が起きることがしばしば じゃあ、腫れを取るためになにをすればいいかな
パターン別の破行予防のポイント
① ATFL断裂後(足関節捻挫)
跛行予防の大事なポイント
起こりやすい跛行パターン
→ 初期接地の回避(かかと接地せず外側に荷重)
→ 立脚期の不安定性で短い歩幅
予防のポイント
・荷重再獲得の段階づけ(痛みがない範囲で早期から踵接地の練習)
・足関節可動域の確保(背屈制限は代償歩行を誘発)
・腓骨筋・下腿筋群の強化(外側支持性の確保)
・バランス訓練(片脚立位・不安定面)で安定した立脚期を作る
・テーピング・サポーターで初期の不安感を軽減
疼痛や恐怖感を取り除くためになにをしたら良いかいつも考えさせられます 感覚が鈍いのか知覚異常なのか 単一的に考えないことが大事
② 外反母趾術後
での跛行予防の大事なポイント
起こりやすい跛行パターン
→ 母趾の蹴り出し不足で短い歩幅
→ 代わりに外側の小趾側で蹴り出す歩行 予防のポイント
・母趾可動域の回復(術後早期から関節モビリゼーション・タオルギャザー)
・足趾屈筋・内在筋トレーニング(母趾で地面を押す感覚を取り戻す)
・荷重線の再教育(第1列に体重を乗せる歩行練習)
・適切な靴・インソールで外側荷重を予防
・段階的な歩行練習(平地 → 不整地 → 長時間)
機能的なものと器質的なものは分けて考えましょう 外反母趾術後は元々の変形が基盤にあって どれくらいどの角度で切っているかで獲得が難しい機能が出てくる
破行予防において共通して大事なこと
①「痛み」や「恐怖心」を残さないこと → 痛みがあると無意識に跛行が習慣化
②可動域と筋力の早期回復 → 制限があると代償歩行につながる
③正しい歩行パターンの再学習 → 初期接地~蹴り出しまで一貫した動作を意識的に練習
④段階的な荷重・バランス訓練 → 急に全荷重すると跛行パターンが残りやすい
当たり前のことばかりだけどこれ全部を改善することってつくづく難しいと思う
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