目次
1. 主な原因
カテゴリ | 内容 |
---|---|
構造的要因 | 第一中足骨が長い/傾きが強い/関節面形状が不適合 |
過負荷 | 繰り返す背屈動作(ランニング・ジャンプ・つま先立ち) |
外傷 | 捻挫・打撲・関節内骨折による軟骨損傷 |
アライメント異常 | 扁平足・過回内足・第1中足骨の下がり(落ち込み) |
加齢・遺伝 | 変形性関節症の一部として進行、家族歴も関連 |
構造的リスク × 機能的ストレス」の組み合わせで発症・進行する。先天性のものは変えようがないが自分の足は変形しやすい形であるということは理解しておく必要がある
2. 病態の流れ(メカニズム)
関節への繰り返す負荷
↓
軟骨の摩耗・微小損傷
↓
関節辺縁の骨棘形成
↓
背屈制限・疼痛
↓
代償動作(回外歩行・荷重偏位)
↓
二次的障害(足底腱膜炎・第2趾変形など)
気付けるポイントはいくつもあるはず。違和感や痛みを放置せずに受診することが先決
軽い痛みだからといって甘くみないこと
3. リハビリの目的
①関節可動域の維持(特に背屈方向)
②足底荷重の最適化(アーチ機能の改善)
③疼痛の軽減
④歩行・動作の再教育
変形してしまったものは元に戻らないことを念頭にリハビリを行います
4. 時期別のリハビリ戦略
🩹 急性期(炎症・疼痛期)
目標:痛みと炎症のコントロール
内容 | 具体的方法 |
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安静・負担軽減 | 母趾背屈を避ける。硬い靴底・カーボンインソールを使用。 |
疼痛緩和 | アイス・温冷交代浴(炎症が落ち着けば温熱へ)。 |
関節保護 | テーピングで背屈制限、MTP関節の安定化。 |
軽運動 | 足趾屈筋のアイソメトリック収縮(痛みのない範囲で)。 |
慢性期(炎症が落ち着いた段階)
目標:可動性と筋機能の改善
内容 | 具体的方法 |
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関節モビライゼーション | MTP関節の軽い背屈方向への滑り。痛みがない範囲で実施。 |
軟部組織リリース | 足底筋膜・母趾屈筋腱・関節包の柔軟性改善。 |
筋力トレーニング | タオルギャザー・母趾屈筋強化・内在筋トレ。 |
ストレッチ | 腓腹筋・アキレス腱・足底筋膜ストレッチ。 |
歩行再教育 | ローリング歩行練習。過剰な回外動作の修正。 |
リモデリング期(機能再獲得期)
目標:再発予防と動作最適化
内容 | 具体的方法 |
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動作分析 | 歩行・走行・立ち上がりなどで母趾負担を観察。 |
機能的トレーニング | つま先重心・足部安定化トレーニング。 |
姿勢修正 | 骨盤・下肢アライメントを整え、過回内を抑制。 |
インソール調整 | 母趾MTPの動きを制限 or ロッカーソールで蹴り出し補助。 |
リハビリのポイントまとめ
フェーズ | 目的 | 注意点 |
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急性期 | 炎症・疼痛のコントロール | 動かしすぎない・背屈制限 |
慢性期 | 可動性と筋力改善 | 痛みを伴う強引なROM運動は避ける |
リモデリング期 | 歩行・アーチ・姿勢の再教育 | 動作パターンを整え再発予防 |
他の疾患と考え方は同じかと思います
変性疾患であり元には戻らないということを念頭に
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