Iselin病(第5中足骨骨端症)の修復過程とリハビリのポイント

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①障害期(急性〜亜急性期) 運動や繰り返しの外力で骨端核に微細損傷・炎症が生じる 局所に疼痛・腫脹・圧痛が出現
 
②修復期(数週間〜数か月) 炎症反応が落ち着き始める 骨端部で線維性組織や軟骨組織の修復反応 血流増加、線維芽細胞や軟骨細胞の増殖
 
③再石灰化期 損傷した骨端核が骨化・再石灰化されていく レントゲン上では骨端核の分節化や不整像が改善
 
④リモデリング期(成熟期) 骨端線が閉鎖していく過程で正常な骨形態に近づく 痛みは自然に消失し、長期的に後遺症を残すことは少ない
 
基本的には成長とともに痛みが減っていく病態。それまでに無理させずに運動量と身体機能のバランスを調整することが大事
臨床上のポイント
①保存療法が基本:安静、負荷制限、ストレッチ(腓骨筋群や下腿後面)、アイシング
②成長期特有の一過性疾患であり、骨端線閉鎖とともに自然軽快する
③痛みが強い時期には運動制限を行い、再発防止に足部アライメント・柔軟性改善を意識する
当院では「全国がかかっているから」「練習は休めない」という親御さんが多い印象です
基本、無理せず時間が経てば治ります
親のエゴにならずに選手に寄り添ってほしいと願います

Iselin病になりやすい足部の特徴

1. 外側荷重が強い足
外反小趾や小趾側での接地が多い人
ランニングやサッカーで外側縁をよく使う動作が多い
2. 扁平足(アーチ低下)
内側アーチが潰れることで、腓骨筋腱が常に引っ張られる
足部が内側に倒れ、腓骨筋の緊張が高まりやすい
3. 柔軟性が乏しい下腿後面
下腿外側(腓骨筋群)が硬い
足関節背屈制限があると、サイドステップや走行で外側に負担が集中
4. 成長期でスポーツ活動が多い子ども
特にサッカー、バスケ、陸上短距離など「切り返し動作」が多い競技
成長期の骨端核がまだ弱く、腱の牽引に負けやすい
患者自身も弱点の理解が必要。スキルだけでなくフィジカルを鍛えていかないと生じやすい

イズリン病になりやすい人の特徴をまとめると

扁平足+外側荷重+スポーツ量が多い子ども に多い
靴の外側がすり減りやすい子や、走るときに小趾側に倒れる癖がある子は注意
子供自身でなく周りの人も注意深く見てあげてください

運動制限の考え方(Iselin病)

 
・基本は保存療法
①痛みが強い時期は一時的な運動制限(特にジャンプ・切り返し・サイドステップ)
②痛みが軽度なら運動を続けてもOK(アイシングやストレッチを併用)
 
成長期の一過性疾患であり、痛みと相談しながら活動量を調整するのが基本です
どの程度がやり過ぎなのかを見極めることが難しいと思います。
物足りないくらいの軽めで様子を見ることをおすすめ
 
イズリン病の運動制限の考え方
 

実際の対応

 
・痛みが強い → 運動制限(休養を優先)
 
・痛みが軽い → 無理せず運動続行可
①負担軽減の工夫(柔らかい靴、外側の圧迫回避、インソール)
②腓骨筋や下腿のストレッチで腱の牽引を減らす
 
未熟な体に負荷をかけ続けるのは得策ではありません
将来後悔しないために判断を誤らないように
 

イズリン病での運動制限の考え方

 
①「完全安静=必須」ではない
 
②“痛みを目安に”活動調整が正解
 
③長期間の安静で筋力低下や動作習慣が崩れる方がリスクになる
 
これらのポイントを念頭に運動を進めましょう

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