今まで僕が読んできた教科書はざっと50冊ほど。他の方と比べると少ないかもしれませんが、新たな教科書を求めている人の参考になればと思います。
今回は吉尾雅春先生と森岡周先生が減収されています。標準理学療法学専門分野 神経理学療法学を読んでみての感想とおすすめ度をお伝えしたいと思います。
簡単にこの教科書の紹介ですがその名の通り神経系のことがまとめてある教科書となっています。
もし、脳神経の教科書をお探しなのであれば、この記事をみてみる価値はあるかもしれませんね。 個人的にはこの教科書最も愛用しているものですのでぜひ皆様にも見てもらいたい。
この教科書の特徴
僕がこの教科書を見て感じたことは脳卒中に関してかなりわかりやすく解説してあるということ。神経筋疾患のことも書いてあるのですがこちらに関してはお触り程度。 末梢神経よりも中枢神経のことをかなり簡潔に書かれています。
脳卒中に関しての教科書も色々と見てきましたが最も初心者向けの教科書と言えると思います。 脳卒中によって生じる障害のことがほぼ網羅されています。
ただし、脳卒中によって生じる障害の1つ1つをそこまで深掘りしているわけではないので、その分野をもっと深く知りたい!という方には物足りない内容となっているかもしれません。
目次と内容を少しだけお見せするとこのような感じです。
基本的にこの教科書の文章構成としては
- 名称の説明(運動麻痺とはなど)
- その名称が生じる神経機構(運動が起きる神経機構など)
- 障害発生のメカニズム(運動麻痺がどのようにして起きるのかなど)
- 障害の種類(運動麻痺の種類など)
- その障害に対する評価と理学療法と実際(運動麻痺の回復過程や経験論など)
上記の内容がいくつもの種類載っているような感じです。障害や機能の名称とその定義をまず知ることができ、その機能がいかにして起きているかを学びます そして、障害発生の機序を知り『ではどんなリハビリを提供しようか』というところまでが学べます。
僕も病院勤務1年目の時からお世話になっている教科書であり、わかりやすさには太鼓判を押させてもらいます。
その代わり、先ほども言いましたが深掘りするような内容にはなっておりません。例えば運動麻痺で生じた歩行障害の治療法が学びたいと思っても破行の種類やその改善方法などは載っていないです。それらの専門分野をより深く知りたいのであればその障害の専門書を購入することをお勧めします。
こんな人にお勧め
・脳卒中の患者さんをみるのに慣れていない
・脳卒中による障害をある程度網羅したい
・脳の機能を学びたい
逆に1つの障害について深く知りたいという方には不向きの教科書と言えます。 とはいえ、セラピストとなって5年くらいはこの教科書を網羅していくだけでかなりの知識が蓄えられると思いますよ。いきなり、すごく深いところを見ても訳わからないですからね。
実際に僕も1年目の時に知覚に関してのリハビリという教科書に手を出しましたが、そもそも人がどのようにして知覚しているのかもよくわかっておらずチンプンカンプンでした。 大体の1つの障害の専門書というのは『その障害の機序など基本的なことは知っている前提』でお話ししてくるので全くついていけません。
背伸びせずに知識が浅いならばこの教科書から読み解いていくことをお勧めします。それくらいこの教科書は読みやすいですしかなり多くの人に読まれているものですよ。
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